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化学を教えていて

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2011.03.16

 塾で化学を教えていて、化学Ⅱが苦手な生徒は難しい内容が解らないということで、苦手な理由が他の教科と同じなのですが、化学Ⅰが苦手な生徒にある特徴があります。

それは化学Ⅰが苦手な生徒達は化学式を覚えないという特徴です。それも複雑な化学式ではなく塩酸とか硫酸・硝酸などの基本的な酸や、メタノールやエタノールアセトアルデヒドなどいった有機化学の基礎の基礎にあたる化学式が覚えられません。

 名前を覚えなえれば次のステップに進むはずもなく、停滞してしまいます。なぜ覚えないのかといえば、彼らに共通の特徴は、ごまかす術を持っていることです。
覚えなければいけないと思っているのに、携帯に逃げたり、ゲームに逃げたり、絵やイラストを描いたり、言い訳を考えたり、何回かその場で繰り返すことにより覚えた気になったりすること(典型的な短期記憶)です。

 ごまかすことで当面に苦痛から逃げることが出来ます。すると脳は先ほど覚えなければいけないと思ったことはたいしたことではないと判断するようなので、結果として覚えることはできません。

覚えなくても良いとは思っていませんから、本人達も苦痛になってきます。そこで必殺の手段として、それらのことを忘れてしまうことが出来ることを見つけます。ごまかす手段として使っていた携帯やゲームや絵やイラストが本来の目的なってしまいます。

 しかし、受験の日は近づいてきます。塾に行ったり予備校に行ったりする生徒も出てきます。ところがそこでは化学式や名前の覚え方なんか教えてはくれません。それらは当然しっているものとして話が進んでいきます。

頭の中に入っていくこともなく、頭の上を素通りしていくばかり。ますます焦ります。するとますます携帯やゲームや絵やイラストに逃げていくことになってしまいます。

 ごまかす気持ちが無くならない限り、基本的なことであればあるほど覚えることはできません。それは英単語もしかり、地理や歴史などの社会教科で覚えなければいけないこともしかりです。ごまかす気持ちがなければ、これらの基本事項を習得することは困難です。

 携帯をずっと止めなくてもいいんです。せめて覚える間だけでも止めることが出来れば、それだけでも違うのです。ごまかさずに困難に立ち向かうことが大切です。それが志望校への道につながっていくのです。

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