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その8 (中学レベルで国立大へ)

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2009.06.12

 A君のセンター試験は特に高得点の科目はなかったのですが、全科目平均点を超えました。ある意味で国公立に受かりやすいタイプでした。

 受験校を選ぶ時には、英語がポイントになりました。センター試験の英語は出来ても二次の個別試験で点を取るほどには出来る状態ではなかったので。(本人はセンターが平均点を超えたことよりすっかり自信を持っていましたが、私はそこまでの状態とは思っていませんでした。)二次試験で英語が無い大学を選びました。

 前期は数学のみの日本側のB大学、後期は数学と社会のC大学。社会は塾に来たばかりの頃は47都道府県名もおぼつかなかったA君が、すっかり得意科目になっていた地理で受けることになりました。

 そのような状態でA君の受験シーズンが始まりました。まずは私立大学の受験から。A君は英語に自信を持っていたので合格する気満々なのですが、私は不安を持っていたので、私立はだめでも、まあ国立大学には受かるだろうからと思っていました。

 結果は私の悪い予感が的中、受けた大学はすべて不合格。ただ、センター利用の大学が1校合格。A君はすっかり落ち込んでしまいましたが、「B大学は数学だけだから大丈夫だよ!私は最初から私立はダメでも国立は受かると思っていたから、自信を持って受けてこい」

 B大学では、ほぼ全問正解、合格の確信を持ったので、アパートも決めてきたとのこと。問題を見ながら、答をすると、1問で勘違いがあったが、4問中3問正解。センター試験の成績と、二次試験の難易レベルを考えると、確かにこれなら合格間違いなし。

 「よし、これなら塾もきょうで卒業だ、おめでとう!」

 しかし、合格発表の日、思わぬことが起きました。なんとA君はB大学には不合格。後期の受験はすぐ、急遽授業を実施。すっかり落ち込んでいたA君にまた自信が復活。

 C大学の受験の出来も、良好の成績、特にスリランカの首都名を書く問題も出来たとのことで、今度こそ合格かなと思っていたら、なんと再び不合格。

 ここからもう一つのドラマが始まります。

 実は、前期の発表の後で、あの成績で不合格になるのはおかしいということで、B大学に、再調査を依頼する旨の内容証明郵便を送っていたのです。

 真相はいまだに定かではないのですが、B大学では、再調査をしてくれたみたいなのです。そこで事務の手違いが発覚したみたいで、C大学に連絡してあったようです。

 3月末に驚くべきことが起きたのです。B大学から補欠合格の連絡が来たのです。理由は教えてはくれなかったのですが、いずれにしても、合格は合格です。

 まあ、このようなわけで、色々とありましたが、塾生第1号のA君は無事国立大学に合格しました。これなら塾もなんとかやっていけるかなと思った14年前のことです。

 次回は数・物・化の伸び悩み状態から現役で医学科合格のB君について。

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